書籍・雑誌

カメおもうゆえにカメあり

かめぢからさんで紹介されていた「カメおもうゆえにカメあり サノアツコ」を買って読んだ。

2匹のインドホシガメと1匹のアラブギリシャガメを買っている筆者がイラストと写真を交えて、リクガメの面白さを紹介している。リクガメ飼っている人が読むと、そうだよそうだよそうなんだよ、といたく感じ入ってしまい、また急に自分の飼っているカメが愛おしく思えてくる。そんな本だ。筆者がイラストレータということもあり、イラストが面白い。写真もなかなかのもの。

最後にインドホシガメの一匹が亡くなってしまい、ちょっと物悲しく、飼育の難しさを感じさせられる。その点、ヘルマンリクガメのグーちんは丈夫だ。少々劣悪な環境であっても耐えられる。グーちんを買ったペット屋さんは、熱帯魚がメインで、小動物やハ虫類を少し置いていた。他にリクガメ売っている店を当時は知らなかったので、そこで買ったけど買うと言うより救うと言う方が適切なくらい、劣悪な環境で飼われていた。グーちんは救い出されてこんなに大きくなったが、他のカメはどうなったのだろう? 

今は、歩いて45分くらいの所にGRACEというリクガメ専門店があるのを知っている。まだ行ったことがない。いつか行ってみたい。

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セルボーンのリクガメ

「リクガメの憂鬱」という本にカメが地中海で暮らしていた頃の回想が出てくるとJunさんに聞いたので、読んでみました。

Junさんのおっしゃるとおり、「ジャン・クリストフ」より読み進めるのが困難でした。
「ジャン・クリストフ」は文の密度が濃いので集中力を必要とし疲れるが、「リクガメの憂鬱」は、リクガメのことしか関心がない人にとっては、関心を持続するのが困難でした。

「リクガメの憂鬱」は18世紀後半のイギリスの田舎町セルボーンでの人の暮らしや、自然についての描写が多くを占め、リクガメに関する記述は少ないです。結局途中から、斜め読みでセルボーンの暮らしや自然はすっ飛ばして読み終えたことにしました。

この本で登場するのは、ティモシーと呼ばれるギリシャリクガメ(森夫妻著のリクガメ飼育百科によると、このギリシャリクガメはアルジェリアのみに棲息し、大型になる希少種とある)。

ティモシーは6ポンド13オンスあるというから3kgを超える。グーちんが大体1.5Kgなので倍の体重がある。ギリシャの方がヘルマンより大きくなるらしいが、それにしても大きなカメだ。

本によるとティモシーはキリキア(地中海に面したトルコの南部)で生まれたとあるが、そうだとアルジェリアにしか棲息しないという森夫妻の記述と合わないが、18世紀の後半にはキリキアにも棲息していたのだと考えることはできる。

ティモシーはキリキアの地中海を見下ろす街の廃墟にある藪に住んでいた。地中海を見下ろす街の廃墟というのがいい。

ティモシーは80年以上生きた。ティモシーは冬は冬眠して80年。グーちんは冬眠させていないので、その半分しか生きれないとしても40年生きる。グーちんは多分まだ10歳程度なので、あと30年生きるとすると、ダチョウ山は80歳近くになっている。多分グーちんの方が長生きするのじゃないかな。この本でも、ティモシーは二人の飼い主を看取っている。

この本では、リクガメは足が遅く、それゆえに脱走する時も人が気が付かない速度で移動できると書いてあるが、これは間違いだと思う。グーちんは、その気になれば結構早く歩くことができる。

また、この本には岩登りが好きと書いていないが、ティモシーもグーちんと同じくらい登るのが好きだったはず。脱走も扉がたまたま空いていたからではなくて、フェンスを乗り越えたのじゃないかな。グーちんも難攻不落に作ったつもりの壁を乗り越え、去年は物凄く暑い日に二度脱走した。もう脱走されたくないので、今では家の外には出さない。

ティモシーは男の子の名前だけど、本人は自分はメスだと言っている。リクガメのイメージは、男の子か女の子かと聞かれると、男の子と答える人が多いと思う。グーちんもダチョウ山の家に来た頃は甲長9cm程度だったので、性判別できず男の子っぽい名前を付けてしまった。今では、グーちんは女の子だと分かっている。けれどもリクガメ=女の子のイメージがなかなか持てず、悪さをするとつい「グー丸!!」とか言って叱ってしまう。

この本は、18世紀後半のイギリスの田舎町の人の暮らしや自然や、博物学に興味がある方にお勧めします。

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一瞬の風になれ

ここ数年、直木賞作品を中心に読んできたが、図書館に置いてあるのはあらかた読んだので、本屋大賞作品を読むことにした。

本屋大賞は、2004年から始まっており、2009年が第6回ということになる。第1回から第5回まで大賞を含め上位入賞した作品を、12作品読んだ。

その中で、大好きになった作家がいる。佐藤多佳子。

佐藤多佳子の書いた「一瞬の風になれ」は第4回(2007年)の本屋大賞を受賞した。

この本を読んだのは、もちろん大賞受賞作品であることが理由だが、それ以外に、この本のモデルになった高校が僕の住む相模原市の高校ということがある。神奈川県立麻溝台高等学校である。市の高校がモデルになったからかどうか分からないが、市の図書館や公民館の図書館にたくさん揃えてあり、待たずに借りることができた。

話は、高校の陸上部に入部した幼馴染の二人の3年間の成長の物語。

二人とも100mランナー。

一人は一ノ瀬連。中学の時から注目されていたのだが、運動部によくあるがんじがらめの生活にいや気がさし、中学2年で退部した。

もう一人、神谷新二は中学ではサッカーのFWをやっていたが、サッカーの天才の兄を見ていて自分には素質がないことに気づき、足が速いという取り柄を生かそうと、一ノ瀬を誘って高校の陸上部に入部する。

この二人に、先生、同級生、先輩、後輩、ライバル達が加わって3年間の青春物語が展開する。

麻溝台高校は県立の進学校なので、特に陸上が強いという訳ではない。そこに、二人の天才が入部することで、夢が見えてくる。もともとそれほど強くない陸上部であることが話を面白くしている。

100m走(たった10秒そこら)の中にもドラマがあることを知った。マラソンのような長距離にはドラマがあるのは分かっていたが、100mの中には10秒の中に凝縮されたドラマがある。佐藤多佳子は余分な言葉を削り落したスリムで軽快な文体で、10秒のドラマを描く。

短距離の団体戦400mリレーがこんなに興奮するものだとは知らなかった。日本がオリンピックで銅メダルを取ったのは凄いことなんだと改めて思った。

ちょっとつかみどころのない女の子、谷口若菜が3,000mで県大会出場を決める場面は泣きました。

モデルになった高校に行ってきました。

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新二達が走ったグラウンド。
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佐藤多佳子の感受性の富んだテンポのいい文体にひかれて、「イグアナくんのおじゃまな毎日」、「ハンサム・ガール」を読みました。どちらも児童書ですが、終わり方がとてもスカットしていて爽快です。イグアナ飼いたいなと本気で思いました。「ハンサム・ガール」は女のお子さんをお持ちの方、是非読んでください。

「サマータイム」、「五月の道しるべ」は、図書館に行ったら児童書のコーナーに置いてありましたが、大人の読む本でしょう。登場人物は子供で、子供の気持ちがつづられていますが、そのポエムのような語り口は大人でこそ感受できるものだと思います。

今、「黄色い目の魚」を読んでいます。



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直木賞

SNS(mixi)に入ってから半年くらい経過した。

直木賞のコミュニティがあり、そこに入っている。

直木賞を読み、感想などを交感するコミュである。

そう言う訳で、最近は直木賞受賞作、または直木賞受賞者の作品ばかりを読み漁っている。mixiの方に感想を書いているので、ブログの方は疎かになっている。

最近読んだ直木賞は、面白かった順に、

1.女達のジハード 篠田節子
2.星々の舟 村山由佳
2.花のれん 山崎豊子
3.肩ごしの恋人 唯川恵
4.プラナリア 山本文緒

たまたま全員女性です。

肩ごしの恋人は、テレビドラマになるそうです。私はテレビはほとんど見ないのであまり関係ありませんが。。

山崎豊子は「白い巨塔」がすごく面白かったが、「花のれん」はそれほどでもない。

「女たちのジハード」は面白いですよ「通勤の友」にアップしました。

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カラマーゾフとの戦い終わる

カラマーゾフの兄弟を40日くらいかけて、やっと読み終えた。

大作なので読み終えたという達成感はある。大きな山に登った感じだ。

「カラマーゾフの読み方」みたいな解説本もあるので、読む人が読めばあちらこちらに大切な言葉が書かれているのだと思う。残念ながら、ダチョウ山にはそれを理解する能力に欠ける。

キリスト教に対して、色々な角度から考察されているのは分かる。特に、「幼い子供の犠牲の後にすばらしい未来が来るとしたら、そのような未来は要らない」とイワンが語るところは、遠藤周作の沈黙を思い起こさせる。

そして、その後に続く「大審問官」。かなりの部分理解できないのだが、それでも物凄く圧倒される。

登場人物の中で誰が一番好きだった? 全員好き! 「全員何かしら愛すべき点を持っている。」もしかしたら、このように考えること自体がこの本の力か。

このような大作を読むための時間が持てることに感謝したい。次は何を読もうかな。

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カラマーゾフの兄弟

2週間前くらいだろうか。朝日新聞にカラマーゾフの兄弟の紹介があった。

恋人に「読んでないと話の相手として失格だ」と言われて、読み始めたが1巻を読むのに1ヶ月かかった。なんて退屈な本だろうと思ったが、1巻のおしまいくらいから急に面白くなって、2巻、3巻は3日で読んでしまった。と書いてあった。

そこで、ダチョウ山も相模原の図書館でカラマーゾフの1巻を借りてきて読みはじめた。実は高校生のとき、自宅にあったカラマーゾフを読んでみたが途中でリタイアしてしまった。1巻をクリアしたら面白くなるというのを信じよう。1巻をクリアできたら、Yahooオークションで全巻を購入する予定。

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消えたニック・スペンサー

クラークの最新刊を読みました。例によって相模原の図書館で借りました。予約待ちが意外と少なかったので、少し寂しい気持ちになりました。私はクラークファンを自負していて、新潮文庫のクラークは全て読んでいます。しかし、「君ハ僕ノモノ」以降の作品が精彩を欠いているのが残念に思っており、この本も期待半分、諦め半分で読みました。

話の始めは緊張する株主総会で始まる。緊張感がありなかなか良い。題名のとおりニック・スペンサーの行方を記者カーリーが追求するという筋書き。そこに精神を病んでいる男ネッドが一人また一人と殺人を重ねていき、カーリーの身にも危険が迫るというプロットが交錯する。カーリーが取材を重ねながら真相を追う筋立てになっているので、登場人物が非常に多い。クラークの作品のなかでおそらく一番多い。そのため話が少し発散した感じを受ける。

異常人格者はクラークの得意とするところだが、今回のネッドはいささか迫力に欠ける。クライマックスは、この本をサスペンスと呼ぶなら、期待はずれ。

否定的な感想になったが、クラーク=サスペンスの女王 という図式が頭にあり、サスペンスと思って読んでしまうのがいけないのかもしれない。それでも抗がん剤というテーマを取り上げたのは成功。なかなか興味深い。

この本を読んで、クラークってこんな感じなのねと思った人は、出世作となった「子供達
はどこにいる」と「誰かが見ている」を読んでね。サスペンスの女王であることが分かります。

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